記憶はシナプス結合の組み合わせ

記憶のモデル

ニューロン結合が記憶を形成し、そのネットワーク集合体が意識を形成するという説。
記憶というのはニューロンの組み合わせセットとして符号化されて蓄えられる。
情報Aが入って来ると、あるニューロンのセットが活動し、
別の情報Bが入って来ると、別のニューロンのセットが活動する。

セルアセンブリ仮説

記憶のメカニズム(記銘、想起、忘却)が解明されつつある。
脳科学の実験によって実証された記憶の構成理論で、神経細胞集合体という意味。
脳の中ではニューロン(neuron 神経細胞)がシナプスを介して連絡しネットワークを形成している。 シナプス(synapse)というのは、ニューロン同士が数十ナノメートルの間隔で接近した部位。
 
㊧シナプスを介して連絡するニューロン。axon 軸索、axon tips 軸索末端、dendrites 樹状突起。
㊨1949年カナダの神経生理学者ドナルド・へッブが提唱。2012年利根川研究室が実験的に実証した。
(井ノ口馨, 分子脳科学の挑戦, p.40?)

記銘、想起、忘却のモデル

上の図で○がニューロン,○をつなぐ線がシナプス。
ニューロン集団の中ではニューロンのセットが割り当てられ個別の記億が符号化されている。
ニューロンの休止中も、ニューロンのセットは維持されている(シナプスの線が太い)。
太い線はシナプスが強い(伝達効率が高い)。 ニューロンが活動するとその関連記憶が想起される。つまりニューロンのセットが符号化している記憶は、 そのセットに属するニューロン群が再び活動すると思い出す。 一方、過去に強化されたシナプス結合が弱い強度に戻ればニューロンのセットが消滅する(忘却)。

シナプス可塑性

変形応力がなくなっても変形したまま残るのが可塑的な性質。
経験や学習で特定のニューロンのセットが活動して記憶され、その後静止状態に戻るが、
ニューロンのセットは消えてしまわずに痕跡が残る(記憶痕跡)。
この時ニューロンのセットが保持される性質が「シナプス可塑性」。
シナプスの強さ(伝達効率)が変化してそれが継続するというシナプスの性質を指す。
これはプラスチックを鋳型に流し込んで成形し、冷えるとその形で固まる性質に見立てている。